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2020年2月のサロン報告

「如月、春への想い」は、日本の冬のコタツ風景をイメージした和菓子作りとなりました。

 

1月から新型コロナウィルス問題がどんどん近づいてきて、サロンでも2月最後まで開催することができるかとだんだん危ぶまれてきましたが、なんとか無事に終了することができました。

 

★「うぐいす餅」

 春待ちの和菓子といえば、うぐいす餅です。

うっすらと薄緑色を帯びた餅生地にうぐいすきな粉をまぶします。

 

餅生地の難しいところは、「すぐに乾燥してくる」「すぐに温度が下がってくる」

の2点です。

 

この2つの課題をなんとかクリアできないかと色々考えました。

「乾燥させない方法は?」「温度を下げない方法は?」

 

思いついたのは、「湯煎にかける」「密閉容器を利用する」です。

 

作業中にこの2つの方法を利用すれば、餅生地は慌てずに丁寧に扱うことが可能となります。

そして実際の作業中にも

「こんなに柔らかさが保てるなんて!」

「わあ、やりやすいです!」

とのお声をたくさんいただきました。

 

丁寧に中餡を包みうぐいすきな粉でお化粧したうぐいす餅は、皆さんなかなかの出来栄えでした。

  

 

★「生トラ焼き」

トラ柄模様のどら焼きに生クリーム餡をたっぷりとサンドしたものです。

 

「どうやってあのトラ柄を作るんだろう?」と不思議に思っていた参加者も多かったようです。

実際、私自身、日本菓子専門学校の特別講習会で習うまで知らなかった焼き方です。

 

知ってしまうとその原理と方法に「なーるほど」と納得。

とともに、こんな方法を考え出した先人たちに脱帽です。

世の中にはいろいろ新しい技法を考え出す人がいるものだと、改めて感心してしまいます。

 

黒糖味のトラ焼きに生クリーム餡をはさむ、このアイデアが大当たりで参加者の皆さんに大評判のどら焼きとなりました。

 

 

 

 

 

★「長寿豆」

2月なので、節分の炒り豆を使いました。

 

普通の大豆、黒大豆、青大豆の三種類の炒り豆を砂糖衣(砂糖の結晶化)で包みます。

ココアとシナモン、抹茶、梅という三種類のフレーバーを一緒に砂糖衣に合わせる。

 

とても簡単なようで、実は案外難しいお菓子なのです。

砂糖の結晶化はそのタイミングを間違えると砂糖衣はできず、キャラメル化してしまいます。

フレーバーを入れるタイミングも同様に少しずれるとフライパンの底にどっさり残ってしまいます。

 

また一番やっかいだったのは、梅味。

梅干しの酸っぱめパウダーを入れたのですが、これが失敗者続出。

 

タイミングの微妙なずれが原因と思っていましたが、あまりにも失敗者が続くので、これはなにかおかしい。なにか別に原因があるのかも?

 

いろいろ調べた結果、「酸は砂糖の結晶化を阻害する」ことがわかりました!

 

「ラボなので失敗もある」ということのいい実験例となった「長寿豆」です。

 

「砂糖の結晶化」は他のお菓子でもいろいろ試してみたい課題がたくさん見つかりました。

 

 

 

 

 

★じっくりラボ「もち系和菓子」

「カフェオレ大福」「うぐいす餅」「柚子羽二重餅」の3種類です。

 

白玉粉やもち粉、いわゆる「もち米の粉」を使ったモチモチ、ふわふわの和菓子が好きという人は多いようで、あっという間に満席となりました。

 

 「カフェオレ大福」は、生クリームをコーヒー餡で包み、それをさらにカフェオレ餅生地で包むという少し手が込んだ大福です。

 

生クリームをあらかじめ用意し、冷凍にしておく、コーヒー餡で包んだら再度冷凍にしておく、という前準備が必要になります。

 

「うぐいす餅」同様、「乾燥させない」「温度を下げない」の2点に気をつけて、しかし同時に冷凍の冷たい餡子を包むという作業は、やはり時間との勝負でした。

 

「柚子羽二重餅」はもち粉の中でも一番目が細い「羽二重粉」を使います。

もっともモチモチ感たっぷりの生地を作るために、秘密の配合を施しました。

 

「メレンゲ」と「トレハロース」を使う方法です。

何度も試した様々な配合から今の時点で一番的確と思われる配合を決定、

柚子ジャムと柚子ピールとともに練りこんだ生地は翌日になっても全然固くならない

最高の出来栄えとなりました。

 

楽しいながらもいろいろ新しい発見があった和菓子作り、ご参加くださった皆さま、今月もありがとうございました!!

 

 

 

◆2月のサロン第1日目です。

1月の美しが丘地区センターでのイベントに参加してくださった方が自宅サロンにも来てくださいました。うぐいす餅もトラ焼きもとても上手に作ってくださいました。

 

◆サロン2日目。いつも参加してくださる方たちとパンの先生です。どの方も手先が器用な方ばかり、3種類とも失敗なしで仕上がりました。長寿豆もお見事です!

 

◆3回目は「じっくりラボ」の日。もち系和菓子が大好きな人が集合しました。「うぐいす餅」の薄緑色が人それぞれです。「カフェオレ大福」と合わせて、お店で売れるぐらいの作品がずらりと! しかし「柚子羽二重餅」は切らないままのお持ち帰りでしたので、写真がないのが残念です。

 

◆4回目のサロンにも、美しが丘地区センターの参加者が来てくださいました。

地区センターでのイベントが楽しかったのでぜひサロンにもとご参加くださった由、嬉しかったです。トラ焼きは4枚の予定でしたが、皆さん4枚以上焼けたようでおみやげも増えて喜んでもらえたでしょうか。

 

◆サロン5回目土曜日午前中のサロンです。

この頃から新型コロナウィルスがかなりニュースになり始め、皆さんマスクをしてのご参加。サロンにもアルコール消毒液を用意するようになり、かなり気を使い始めた頃です。

 

◆6回目のサロンは毎月来てくださっているベテランのお二人とお茶の先生の3名です。梅フレーバーの長寿豆は、成功する人、失敗する人いろいろです。失敗すると飴のような硬さになってしまうことも。しかしお味は同じ、「やめられない味だわ」とポリポリカリカリの音が響きます。

 

◆サロン7回目は「英語で和菓子」でした。

都合の悪い人がいて2人だけのご参加。しかし2018年の4月から一度も休まずに来てくださっている方々です。英語は途中から完全日本語に変わりますが、続けてくださっていることに感謝感謝です。

 

◆8回目のサロン、新型コロナウィルスのためにほとんど2月末日は開催すらも危ぶまれるほどに。当日のキャンセルOKにしたところ残念ながら2名の方がキャンセルされました。しかし残り2名の方は元気いっぱいに参加してくださいました。

情勢が情勢だけれど、おしゃべりしながらのんびり作りましょ、と声かけあっての最終日、無事に終了することができました!