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2021年2月のサロン報告

バレンタインデーで盛り上がる2月ですが、特にバレンタインデーにはこだわらず、「早春のギフト」としての和菓子をイメージしてみました。

 

参加者さまからリクエストのあった「イスパハン味の松露」に加えて、「金柑桃山」と「味噌ピーフロランタン最中」。

 

素敵なギフトになるよう工夫を凝らしました。

 

金柑桃山
金柑桃山

★「金柑桃山」

桃山には黄身餡を使うことが多いですが、今回は自家製金柑甘露煮を細かく刻んだものを使いたかったので、あえてこし餡で。

また煎ったくるみも刻んで入れました。

 

練り切り用の押し木型「桜」「梅」「ばら」で最後の仕上げです。

 

この押し木型は、押し加減が難しく、初めて使う方は遠慮しながら恐る恐る押しますのでなかなか適度な模様が現れてくれません。

 

1回目で薄めの模様しか出せなかった人も、2回目以降は思い切り良くしっかりと押せました。

 

この季節ならではの金柑風味をたっぷりと味わっていただけたと思います。

 

  

イスパハン松露
イスパハン松露

★「イスパハン松露

 

イスパハンとは?

パリの有名パティシエが考え出した「ライチ+フランボワーズ+ローズエッセンス」のお味です。

 

そう言っても想像できない人がほとんどです。

昨秋にとらやさんがパリのピエールエルメとコラボして「イスパハン羊羹」を売り出しました。 

 

その香りを松露で再現してみたいという、参加者さんからのリクエストだったのです。

 

フレーバーの方は配合を色々試してみて、大体決まりました。

問題は、松露です!

 

松露とはあんこ玉にすり蜜をかけたもの。昔ながらのお菓子ですが、実はこのすり蜜かけは、ベテランの和菓子職人さんでも苦労するという難易度の高いものです。

 

それをどうやって参加者お一人お一人に成功してもらえるようにするには?

そもそも試作の段階から、何回失敗していることか!

とにかく難しい。

 

失敗に続く失敗を重ねた結果、職人さんの足元にも及びませんがそれでもすり蜜らしきものをかける方法をなんとか確立しました。

 

参加者さんも慌てたり失敗したりを繰り返しながら、10個を作り終える頃にはなんとか松露らしきものになっていったと思います。

 

 

 

味噌ピーフロランタン最中
味噌ピーフロランタン最中

★「味噌ピーフロランタン最中

 千葉県人や茨城県人がこよなく愛する「味噌ピー」ですが、関西や九州出身の方は存在すら知らない人も!

 

甘い味噌味で煮たピーナッツです。

これをフロランタン風にすればすごく美味しいのでは?というアイデアが浮かびました。

 

アイデアは当たりだったみたいです。味噌ピーに加えてナッツ類もたっぷり入れたこのお味がみんな大好きであることが判明いたしました!

 

飾りとして上に乗せた小さなハートたちは、雲平生地、生砂糖(きざと)です。

やはり2月ですのでバレンタインデーも意識しました。

 

 

のし柿
のし柿

★じっくりラボ「のし柿」

今月のじっくりラボ、2月は「冬のフルーツを使うこと」にこだわりました。

 

まずは柿、干し柿です。

 

干し柿によっては柿色がしっかり残っているもの、濃い茶色にまで変化しているもの、などさまざまです。

 

何種類かの干し柿と昨年末に作っておいた柿ペーストをミックスさせて味を決めました。

 

干し柿+柿ペーストを火にかけて柔らかくして裏ごしする → 出来上がったペーストを寒天と煮詰めて水分をしっかり飛ばす → 水あめを加えて固める

 

これだけですが、結構な力仕事です。

のし梅のような食感と柿の風味を残すための配合を何種類も試してみました。

 

和風グミともいえる保存性の高いお干菓子が出来上がったと思います。

 

 

あんこ林檎パイ
あんこ林檎パイ

★じっくりラボ「あんこ林檎パイ」

じっくりラボ、2品目はパイです。

 

かなり洋風なお菓子ですが、フィリングを「求肥入りあんこ」にしたという点が和菓子でしょうか。

 

求肥入りあんこと煮たリンゴの相性は抜群です!林檎の酸味が甘いあんこを包み込んでとてもバランスの良い和菓子(または洋菓子)になりました。

 

林檎の使い方は参加者の皆さまの自由です。

バラの形を作ったり、あんこ全体をおにぎりのように林檎で包んだり、工夫を凝らしました。

 

焼き上がる前から部屋中に漂うパイの良い香り! 今日の和菓子はお紅茶とともにいただくのがおしゃれな組み合わせかもしれません。

 

 

味噌ピーフロランタン最中をちびっ子たちにも!
味噌ピーフロランタン最中をちびっ子たちにも!

★和菓子100人分製作プロジェクト

今月は「味噌ピーフロランタン最中」に決定!

 

ガーナ人のトニー・ジャスティスさんのこども食堂で配っていただきます。

  

誰に聞いても「美味しい」と言ってもらえた「味噌ピーフロランタン最中」ですから、ちびっ子たちにもきっと喜んでもらえるだろうと張り切って作りました。

 

100個作るには、さすがに分業体制をしっかりと整えます。

 

分量を測る係、材料を混ぜてモナカに詰めていく係、飾りのハートをくり抜く係...、どの材料も大量のため重くて扱いもかなりの重労働。 

 

でもお喋りしながら、楽しい作業です。

最後の袋詰めは全員で行いました。

 

 

◆2月のサロン第1日目です。

お一人さま。おしゃべりに花が咲き、初日チェックがなおざりになってしまいました。少々失敗した点も、ごめんなさい。

 

◆サロン2日目。午前中のサロンです。お持ち帰り時「イスパハン松露」が動いてくっついてしまったとの報告。本当は作った直後にはお持ち帰りしないでそのまま自然乾燥するべきもの....、もう少し持ち帰りを工夫しなければ。

 

◆3日目からは、極小のお弁当カップに松露を入れて持ち帰ってもらうという”改善策”を打ち出しました。これの方がバッグの中で揺れても安全です。

 

◆4回目はじっくりラボの1日目。「桃山」も「のし柿」も「あんこ林檎パイ」も成功率100%でした。 皆さん、すっかりベテランさんです。

 

◆サロン5回目。すごく丁寧な作業をなさったお二人。もちろん仕上がりも美しいです!

 

◆サロン6回目は「英語で和菓子」ですが、今回は英語はお休み。味噌ピー大好きな千葉県人と横浜育ちの人は幼少時より食べていたお味だそうですが、九州出身の人は存在すら知らなかったと。日本全国ずいぶん違うものです。しかし出来上がったフロランタン最中は全員に大好評でした。

 

◆サロン6回目はじっくりラボの2回目。台湾とトルコでお土産に買われた木型を持参された方。素敵な模様の桃山が出来上がりました。

 

 

◆今月の100個和菓子製作プロジェクトは「味噌ピーフロランタン最中」!

ちびっ子たちも大好きなお味のはず!