長崎といえばカステラですが、桃の節句（ひな祭り）の時期に、長崎のたくさんの菓子店で販売されるのが「桃カステラ」です。

桃に見立ててハート形に切り取ったカステラ生地の上にすり蜜をかけ、頭の部分をピンク色に染めて、マジパンなどで作った緑色の葉っぱを左右対称に２枚つけ、葉の間に短い枝（練り切りなどで作って）をつけた桃の形のお菓子。

たまたま３月に長崎市を歩くと、手のひらサイズの大きなものからほんの一口サイズのものまで本当にさまざまな「桃カステラ」に出会います。

もともと桃は中国では「不老長寿、不老不死」の果物といわれており、中国との貿易を通じて「桃を使った長寿を願う風習」が長際にも伝わり、それが南蛮貿易の代表格カステラとコラボしたのが長崎の「桃カステラ」のようです。

今では長崎県の郷土菓子、縁起菓子としてひな祭り以外の慶事、たとえば婚礼、宮参り、初節句、出産祝いなどにも使われているそうです。

さて、そのお味はー。

そもそもカステラが甘いお菓子ですが、カステラの甘さを凌駕するすり蜜の甘さ！しかし桃の風味はしません。ただただひたすら甘いお菓子です。一口サイズならば縁起物としていただきやすいと感じました。